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マツダ・ロードスター試乗レビュー まさしく人馬一体のライトウェイトスポーツカー(3/6)

国内仕様のエンジンは1.5スカイアクティブと電動トップのRFが2.0Lスカイアクティブの二本立て、先代の2.0Lから大胆なダウンサイジングで、幌仕様の国内仕様は1.5Lの131馬力のみですが、マツダの提唱する人馬一体を堪能するには十分でしょう。

後述しますが、むしろハンドリングだけを純粋に楽しむのであれば時に過ぎたパワーは持て余すばかりか、運転する愉しさをスポイルする事すらあります。
ハンドリングのためにモデルチェンジで旧型の170馬力から131馬力にデチューンするというスポーツカーとして有るまじき行為を決断したマツダの勇気は称賛に価する物です。

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 運転席からの視界

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 運転席からの視界

今や世界のスポーツカーは2ペダルセミATへの移行する潮流は止まることはなく、もはやあのフェラーリやランボルギーニも3ペダルMTは消滅し、ポルシェさえも過半数がティプトロもしくはDSGというご時世ですが、やっぱり運転を愉しみたい「走り屋」にとっては3ペダルMTのあるロードスターはありがたい存在です。
シフトパターンは押して右上がリバースとなる6速MT、高いフロアトンネルに左腕を置けば、手首を動かすだけでシフト操作が決まります。

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 試乗車

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 試乗車

初代よりも小排気量の1.5Lでは発進トルクが心もとないのでは?と思われるかもおられるかもしれませんが心配ご無用です。
内燃機関に革命をもたらしたともいえるスカイアクティブGエンジン、スポーツカーにありがちなピーキーで神経質なクラッチ操作とは無縁の扱いやすさで、クラッチに要する踏力も軽く、スムーズに発進できるため、過去にMTでロードスターに乗っていたけど何年もMT車にブランクのあるリターンドライバーはもちろん、免許取得以来MT車には載っていないエンストを気にせず発進できる事かと思います。

1000~1500rpm前後でもクルーズ可能なため、低回転で神経質になる必要もなくクロスしたギアを使いこなせば、逆に12km/L以上の燃費を叩き出す所は今時のクルマらしいかもしれません。もちろんAT限定免許のドライバーがこのクルマでマニュアルギアシフトを堪能するためだけに限定解除する価値も十分あることも付け加えておきます。

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 右斜め後ろから

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 右斜め後ろから

世の中のスポーツカーが国メーカー問わず公道のフォーミュラーカーのようなスーパーカーを目指すかのごとくハイパワー競争に明け暮れる今日、それに抗うかのようなロードスター、数値的なスペックでは間違いなく現行の大排気量フルサイズセダン、はてはSUVにも劣るでしょう。

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しかし、オープンエアに身をゆだね、小気味よく決まるシフトレバーを操作しながらただ目的もなく街を流すだけでも楽しいクルマはそうそうありません。
ギリギリのコーナリングでサーキットを攻めるとか、そんな事をしないでも、ただウィンカーを出してブレーキを踏んでからシフトダウンして交差点を曲がるだけで、その操作の一つ一つが楽しいのです。

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 左サイド

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 左サイド

勿論、小排気量モデルといえども2座席軽量スポーツカー、ユーノスファミールのセールスマンお勧め、名古屋市港区の某工業地帯の4車線ロングストレートと緩いロングコーナーが続く試乗コースに出ると、ロードスターのスポーツカーとしての顔を見せてくれることになります。

スロットルに足を乗せただけでスキッドマークを残しながら加速するようなパワーこそ期待できませんが、ちょっと空いた道であれば胸のすくような全開加速が堪能できます。

クラウンですら街中を走るだけならつま先でアクセルを軽く押す程度で十分という昨今、現行のハイエンドモデルのスポーツカーが法定速度の60km/h以下で走るというのは苦痛すら感じるのではないでしょうか。

その点ロードスターはスピードを求めずに気軽に踏めるというのが美点でしょう。
大型車の轍でうねりの多い路面でも確実に路面を掴むようなロードホールディングで、昔のマツダ車にありがちな無駄に初期反応が強すぎるステアフィールも無く、適度な重さを残したステアリングで曲がりたい分だけ曲がることのできるハンドリングは絶品といえるでしょう。

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 試乗コースにて

マツダ・ロードスターSレザーパッケージ 試乗コースにて

まるでレーシングゲームのような風景の続く工業地帯で、大型トラックをパスしながらのコーナリングは爽快感にあふれるものでした。

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天上院 聖璃華認定ライター

投稿者プロフィール

40代 男性

愛車は1973年型トヨタセリカLB2000GTと1969年型スバル360スーパーDXを所有する無類の旧車マニア。

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