ルノー・新型アルピーヌ アルピーヌの軌跡を振り返る(2/7)

スポーツカーメーカーとして一時代を築いたアルピーヌですが、1973年にルノー傘下となり、95年にブランドが休止したこともあって、日本ではごく限られたエンスージアストを除いて認知度はほとんどありません。
それではアルピーヌとは、どのようなブランドだったのでしょうか?
ここでは同社の足跡を簡単に振り返ってみたいと思います。

アルピーヌA110

アルピーヌ・A110

チューナー兼レーシングコンストラクター として身を起こした創業者のジャン・レデレ

アルピーヌの創立は、今から60年以上も昔の1956年に遡ります。
当時、レーシングドライバーで、パリ市内でルノーのディーラーを経営するジャン・レデレが同車を立ち上げました。

アルピーヌ創業者 ジャン・レデレ

アルピーヌ創業者 ジャン・レデレ

レデレは当時販売されていたルノー4CV(日本では日野自動車がライセンス生産していました)のポテンシャルに注目し、同車のシャシーを流用してレーシングカーを開発。
アルピーヌはルノーのチューナー兼レーシングコンストラクターとして名声を得たのです。

初の市販ロードカー「A106」誕生

サーキットで得たノウハウを元に開発したのが、同社初の市販ロードカーとなったA106です。

アルピーヌA106

アルピーヌ・A106

このスポーツカーはルノー4CVのシャシーを流用しつつ、車両の応力を受ける部分に鋼管フレームを張り巡らし、その上にFRPボディを載せるという簡素な作りのものでした。
しかしながら、車重は500kgと軽量で、最高出力43psの非力なエンジンでも150km/h以上の最高速度を発揮したのです。

高性能にも関わらず、重量級スポーツカーに比べて比較的安価で、ジョバンニ・ミケロッティが手掛けた美しいボディスタイルと相まり、発売以来、A106は大変な人気を博しました。
また、当時盛んだった公道レースに出場した同車は、ミッレ・ミリアでの750cc以下クラスで優勝するなどの大きな活躍を見せたのでした。

その後、ルノーが4CVの後継車種としてドーフィンをリリースすると、アルピーヌの市販ロードカーも同車をベースにしたA108へと切り変えられることになりました。

アルピーヌ・A108

アルピーヌ・A108
(Photo by Wikipedia Author Tennen-Gas)

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「A108」へモデルチェンジ

しかし、フレーム構造の4CVとは異なり、ドーフィンはボディの改造が難しいモノコック構造のクルマです。
新シャシーの開発を迫られたレデレは、車体中心線の床下に大径・丸鋼管のメインビームを配したバックボーンフレーム構造のシャシーに活路を見出します。

この選択はベース車のモデルチェンジに伴う苦肉の作でしたが、結果的にスポーツカーらしい低く精悍なシルエットと軽量なボディを手に入れることになりました。
このフレーム形式は、ブランドが一時休止を迎える90年代まで変わることがありませんでした。

アルピーヌ・A108

アルピーヌ・A108カブリオレ
(Photo by Wikipedia Author Tennen-Gas)

搭載されたエンジンはドーフィン用の845cc水冷直4OHVをボアアップし、904ccに拡大したもので、最高出力は前モデルを17ps上回る60psへとパワーアップしました。
空力的な精練と相まって、最高速度は170km/hへと向上。
ミッレ・ミリアやツール・ド・フランス・オートモービル、ツール・ド・コルスなどの公道レースでは、前モデルを凌ぐ活躍を見せ、アルピーヌの人気はますます高まっていったのです。

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山崎 龍

山崎 龍

投稿者プロフィール

1973年1月東京生まれ。
自動車専門誌の編集を経て、現在はフリーライター。

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